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積雪期の浅間山の「溶岩原(鬼押出し園)」
Onioshidashi lava flow covered up by snow.
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浅間山は今から十数万年前より、活動を始めたのはと考えられています。その後、数えきれないほどの爆発と噴火を繰り返した結果、現在の三重式の姿が形成されたものです。とくに有名なのは天明3年(1783)の浅間山大噴火・・・。山頂火口から北方へ約5.5km、幅は800m〜2kmとされる広大な溶岩原を創造し、世界3大奇勝のひとつと言われています。
当時の人々は、この大噴火は火口で鬼があばれて、岩を押し出したに違いないと考えていたようです。この謂れから、見渡す限り一面に広がる溶岩原の中の景勝地は、鬼押出し園(おにおしだしえん)と名付けられています。そして園内には、東京上野の寛永寺の別院として浅間山観音堂が設置されていて、地球の自然の力のすごさへの畏怖と人々への安寧を伝えています。
今回訪れたのは3月。青空の下、寒い空っ風が吹きまわる景色でした。春の息吹はまだなくて、浅間山も黒斑山も雪で覆われ、熔岩原も白い雪と黒い溶岩が入り混じり、人影もほとんどありませんでした。その中で、観音堂の朱色の壁と常緑の黒松が、少しですが暖かみを運んでくれました。
浅間山の麓にも、本格的な春が、雪解けの春が、すぐそこまで来ていますよ。そして暑い夏には雪化粧の姿で、人々に涼しさを運んでくれることでしょう。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年07月17日
- 更新日
- 2017年07月17日 12時 38分