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奥州・一関「厳美渓の四季」
Four seasons of Gembikei Gorge (canyon) in Iwate pref.
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一関の厳美渓は、栗駒山を源として流れる磐井川の中流にあって、約2kmにおよぶ渓谷美で有名です。石英安山岩質の凝灰岩が造った、男性的な切り立った巨大な岩壁。その間を滝や清流が岩に当たっては、白いしぶきを飛ばしています。長い年月を物語る奇岩や怪岩、岩盤の川床、甌穴群。川幅が広い所では、エメラルドグリーンに光る深淵の水流が眼を惹きます。つり橋から見られる、荒々しい上流とゆったりした緑の淵の対比・・・。また石が織りなす渓谷美、その上を飛び交う「郭公だんご」も、情緒があります。 そしてこの渓谷の下流に設けられた散策路は、自然に富んだ森林の中にあって、四季おりおりの表情で、人々を魅了します。
夏、厳美渓は渓谷と沿った森も、深い緑色の草木で囲まれます。岩の間に生える低い木も緑の葉を付け、サルスベリが紅色の花房が目を惹きました。
秋は渓谷も岩壁も、黄葉や紅葉に包まれ青い渓流に映えていました。林床はオレンジ色の落葉の絨毯で敷き詰められ、サクサクと鳴る足音が、林間の小鳥の声を止めました。
冬、渓流は氷結せずに流れていましたが、岩場は数cmの積雪が。そして岩の間には、凹みの水は氷結して、枯れ落葉を半分ほど沈めていました。谷間を冷たい風が通り、頬は痛いほどでした。
そしてやって来た春。厳美渓は渓谷の岩にや冬木立に積もっていた雪が消え、周り一面が新緑に包まれました。萌黄色の葉を連れた淡紫色のヤマフジが、頭を振り渓谷の春を謳歌していました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年09月20日
- 更新日
- 2023年02月07日 21時 43分