癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

　戸隠連山は信州と越後の境近くを、南西から北東に走る火山性の山地です。この戸隠連山の中腹に広がる戸隠高原には、湖や池・沼が静かな水を蓄えています。そのひとつが、西山の麓で戸隠連峰を映す「鏡池」･･･。

　その名の通り水面は鏡の様に静かで、荒々しい戸隠山の勇姿を映し出します。そして森や水辺の植物に囲まれた美しい「鏡池」は、屏風のように鋭い絶壁の岩稜がつづく戸隠連山を、水面でやさしく包み込みます。荒々しさと優しさを映し出す鏡池。どこまでも神秘的で美しいかぎりです。戸隠連山と山腹にある鏡池にも、美しさと厳しさを備えた四季が来ます。

夏の朝、深い縁の森に囲まれた鏡池は、背景のやや緑がかった戸隠連山の姿を映していました。霧や雲が発生しやすく、朝霧が池面や岸辺をゆっくりと流れ、幻想的な景色に満ち、森では野鳥の囀りが行き来していました。

秋に訪れた時は、澄んだ大気の中、黄葉や紅葉を纏い、葉を落とした森の木々は秋景色に一変・・・。しかし鏡池にくっきりと映った連山や原生林の美しさには、息をのむ程でした。

冬、鏡池は完全に氷結し、その上を彩り豊かな冬服の人々が歩き回り、池の輪郭も不鮮明でした。積雪の戸隠連山は、所どころ黒くて荒々しい山肌を見せながらも、積雪の戸隠連山は、青空の下で神々しい姿でした。そして晩春、高地にある鏡池には、やっと春が来た感じでしたが、山桜は淡いピンク色の花を咲かせていました。また池の水辺では真っ黄色のリュウキンカが咲き、待ち続けた春の到来を喜んでいるようでした。（潮 信輔）