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早春(残雪)と初秋の「四国カルスト台地」
Spring and summer on Shikoku Karst plateau in Ehime Pref.
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四国カルストは、山口県の秋吉台、福岡県の平尾台とともに日本三大カルストのひとつです。愛媛県と高知県との県境にある標高が約1,400mの石灰岩台地で、東西に約25kmも広がっています。なだらかな山肌の高原風景の中に、いろいろな景色がみられます。長い年にわたる浸食作用で地表に露出した石灰岩、のこぎり歯状の白い岩、すり鉢状の窪地であるドリーネ・・・・・・。これらの間には貴重な高原植物が群生します。
今回初めて訪れた早春の四国カルスト。五段高原から西に広がる牧場地帯の姫鶴平では、雪渓が残り、枯れた野原が続く高原でした。その分、ヒツジの群れと譬えられる白い石灰岩群は、よりはっきりとのどかな山肌が続くカルスト台地の特徴を見せてくれました。そして青い空の下、西日本の最高峰である石鎚山や周辺の山々が、雪を被って静かに横たわっていました。
4年後の初秋に、四国のカルスト台地がどのような姿を見せてくれるか? と再訪しました。高原の野原は緑一色の草で覆われ、その間を白い石灰岩が羊群原となって、遠くまで続いていました。そして放牧された薄茶色や黒い牛たちが、盛んに牧草を食んだり、横になっていました。石灰岩の傍ではイチゴの赤い実、淡い紫色のアザミが咲き、何とも長閑な風景でした。しばらくすると霧が流れ、風が吹き始め、風力発電の風車が静かに回り始めました。秋の四国カルスト台地は、静と動が交代し合っていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2019年09月20日
- 更新日
- 2019年09月20日 16時 48分