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冬・積雪期の湖東・西明寺「参道、千年杉、二天門と鐘楼」
Snow scene of Saimyouji traditional temple in Siga pref.
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西明寺は琵琶湖の東、鈴鹿山脈の西山腹に位置する古寺です。山号は龍応山。平安時代の834年に、仁明天皇の勅願により開創された寺院で、金剛輪寺、百済寺とともに「湖東三山」(天台宗)の1つに数えられています。昔は、山内に17の諸堂、300の僧坊があったとのこと。今もその面影がつよく残っていて、「日本100の古寺」、「近江水の宝」に選ばれている古刹です。
今回、訪れたのは冬で積雪の景色に誘われるように訪れました。参道の両脇は雪が約5cmほど積もり、真ん中も人の足跡で踏みしめられて、ツルツルと滑りやすい氷の道となっていました。滑り止めが付いた靴で、注意しながら一歩一歩進み、本坊の茶色の塀を過ぎると右側に、雪を被った伝教大師尊像や石仏群が静かに立って居られました。お祈りし、坂の石段を進むと、霊木の千年杉(夫婦杉)が積雪にも負けずに、凛として真っ直ぐに立していました。
ゆっくりと参道の石段を上がって行くと、どっしりとした二天門が見え、その左右には持国天と増長天が迎えてくれました。その前には旅の安全を祈念するように大きな草鞋がかかっていて、旅の安全を願いました。二天門を通ると右側に鐘楼があり静寂を伝えていました。すぐ傍にある楓は冬木立となっていて、散り残った枯葉にも雪が積もっていました。また常緑樹の枝葉も積雪で頭を下げていて、周辺の森にも雪で覆われ、木枝に積もった雪が、時たまバサッと落ちてゆく音が響きました。
人影が少ない冬の西明寺は静寂の中、雪の風情に包まれていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2020年02月10日
- 更新日
- 2020年02月10日 12時 33分