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出羽・羽黒山「五重塔(国宝)の四季」
Four seasons of the five-storied pagoda of Dewa Sanzan
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山形県にある羽黒山は、出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)の神々を合祀する信仰の山です。まず鳥居と随身門をくぐり、山頂にある神社に至るまでの約2kmの参道は、森の中にあって、変化に富んでいます。天然記念物である「羽黒山の杉並木」は、樹齢が300年〜600年とのこと。
その杉林の中にある五重塔(国宝)は、なんとも表現しがたい感動を与えてくれます。杉林の静寂に包まれながらの均整のとれた姿、三間五層の素木造り、柿葺きで、素朴さの中に、秘められた優美さ・・・。 そして四季の移ろいに寄り添った五重塔は、いつも変わることなく荘厳さに満ちています。
夏、杉の林床は野草や低木が深い緑色の葉が、雨に触れていました。ハウチワカエデの緑葉にオレンジ色の翼果が映えました。
秋になると草木は黄葉や紅葉を纏い、五重塔を惹きたてます。傍では笠を被り赤い服をつけた、小さなお地蔵さんが静かに座っておられました。
冬、羽黒山全体が30cm以上の積雪に覆われ、一面の冬景色となlっていました。枯れた木枝も重みで垂れています。その間の踏み固められた細い雪道を、お参りする人々がゆっくり歩いていました。
そして春、山水画のような雪景色は消え、森も五重塔も新緑の草木にも、待ちに待った春の到来が・・・。道の傍では、白色のシャガの蕾が開き、薄紫と橙色の模様をつけた花となって、暖かい陽気を喜んでは、"今年も平穏で"、と微笑んでいるようでした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年08月05日
- 更新日
- 2017年08月05日 08時 02分