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羽黒山「神橋・秡川・須賀の滝」の四季
山形県にある羽黒山は、出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)の神々を合祀する信仰の山です。まず鳥居と随身門をくぐり、山頂にある神社に至るまでの約2kmの参道は、森の中にあって、変化に富んでいます。天然記念物である「羽黒山の杉並木」は、樹齢が300年〜600年とのこと。途中に「小さな神社群」、「祓川に架かる朱塗りの太鼓橋」、「須賀の滝」などがあり、旅情をそそります。
夏の羽黒山は、濃い緑の森に囲まれます。参道を歩いて行くと秡川の音が聞こえてきます。秡川に架かる神橋である「太鼓橋」の朱色の欄干とカエデの緑葉が目に染みて・・・、右側を向けば岩壁から落ちてくる「須賀の滝」の白さが暑さを和らげてくれます。また滝の傍では、クワの緑葉と実たちが濡れてながら揺れていました。そして秋には、羽黒山の森と秡川の周りは、黄葉や紅葉が目立ち、神橋の赤い欄干と良く溶け合っていました。須賀の滝は落ちてくる水量は減っていましたが、澄んだ空気を通して軽やかな滝音をたてていました。
季節は巡って冬、森も参道も木々も積雪で覆われ、須賀の滝は半氷結し、ただ秡川が雪を被った岩の間をゆっくりと流れていました。本来は朱塗りの神橋の欄干も、積雪のため真っ白でした。訪れる人もなく、全体が白い山水画の様な銀世界。それから3年4か月後の春、再び訪れました。羽黒山は参道を含めて萌黄色で覆われて、散策路を歩く若人の足取りも軽い様に思われました。須賀の滝の音も、どこか和やかで、神橋の欄干も再び朱色に戻り、いっそう鮮やかに。傍にはヤマアジサイが白い花(萼片)を輪状に多く付けていました。
四季の移り行きを見ながら、逍遥する羽黒山参りは、いつも何かを感じさせてくれます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2022年02月22日
- 更新日
- 2022年02月22日 11時 55分