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襟裳岬「海岸と岩礁」の四季
Four seasons of Erimo-Cape in Hotuskaidou pref.
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襟裳岬(えりもみさき)は北海道にあって、北海道の背骨と呼ばれる険しい日高山脈の最南端が、太平洋に向かって突き出した岬です。岬の先も山脈がそのまま海に続いていて、これらの岩礁群が列をなして数キロ先まで海上に伸びています。岬の周辺は高さが50mを超す断崖となっていて、風速10メートル以上の風の吹く日が、1年間に260日以上もあるとのこと。また太平洋の荒波が岬や海上の岩礁帯に当たって、列状の白波を頻繁に立てています。この様な豪壮な大自然が造る景観のため、襟裳岬は日高山脈襟裳国定公園の中核を成し、歌詞にも登場する襟裳岬・・・。白亜の灯台や風のテーマ館である「風の館」もあり、ピリカやゼニガタアザラシも生息しています。
この襟裳岬に巡って来る四季は、風との関連が深く感じられます。夏、岬は緑に包まれますが、高い木はなく、低い原生植物たちが海風に向かい合っています。その中で断崖の岩場に咲き、ピンク色に揺れるカワラナデシコは、目を惹きます。秋、強風のため列をなす岩礁は白波を立て、丘では橙色のハマナスの実たちが、背をかがめて助け合って・・・。
厳しい冬から早春、海は鉛色で、丘は烈風のため雪を飛ばされて薄雪となり、岬は氷結し枯葉を纏います。そして遅くやって来た本格的な春、岬は黄緑色の草地となり、その中で紫色のハマエンドウがそよぎ、エゾスカシユリのオレンジ色の花弁が暖かさを運んできます。海の色も青くなり、打ち寄せる波も少し穏やかに見えます。
襟裳岬の四季は、強風の厳しさの中に、優しさを垣間見ることが出来ます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年12月06日
- 更新日
- 2019年01月07日 14時 01分