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山口・瑠璃光寺「五重塔(国宝)の四季」
瑠璃光寺は西の京都と言われる山口市にあり、曹洞宗の古刹で、山号は保寧山です。室町時代の雄、大内氏の全盛期に建てられ、周り一帯に大内文化が色濃く見られます。その中でも特に有名なのが、1442年に建立されたといわれる五重塔。大内文化の最高傑作とみなされていて、国宝に指定され、山口観光のシンボルとなっています。塔の高さは31.2mで、檜皮葺屋根造り・・・。上にいくにつれて細くなる美しい塔で、品格があり、奈良の法隆寺および京都の醍醐寺と並んで、日本三名塔の一つといわれています.
瑠璃光寺の五重塔は、小高い裏山の中腹に佇むように建っていて、前には池があります。周囲は桜、梅、楓などの樹木に囲まれ、四季折々の風情で、訪れる人々を迎えてくれます。
夏、周りは深緑に包まれ、サルスベリが赤紫色の花をつけ、セミの鳴き声が聞こえていました。秋から初冬にかけて、黄葉が混じり次第に紅葉となり、真っ赤なカエデが静かな鏡面の池面に鮮やかな影を投げかけていました。
冬、青空の下で、雪が五重塔の屋根と冬木立が多い庭の植え込みに、薄く積もり吐く息も白くなりました。そして春、木々は新緑を身に着け、花曇りの春空の下では、薄桃色のサクラが満開となり、低木のレンギョウでは黄色い花が、枝いっぱいに咲いていました。
優雅な大内文化が宿る瑠璃光寺の五重塔は、昔も今も自然に囲まれつつ、四季の流れを友としながら美しく息づいています。
今年の10月、17名の同窓生と一緒に山口旅行で、瑠璃光寺を訪れました。卒後48年が経ち、皆の姿に、共に過ごした6年間の年月が重なりました。共に見た瑠璃光寺の五重塔の姿は、同窓生との友情を改めて確認する姿でした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2017年10月19日
- 更新日
- 2022年02月17日 17時 21分