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大分・玖珠「慈恩の滝」の四季
of Jion no taki (waterfall) in Oita pref.
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「慈恩の滝」は大分県の日田市天瀬町と玖珠郡玖珠町の境に位置している名瀑です。二段式の滝で、上段は20m、下段は10m、合わせて約30mの落差があり、昇龍伝説が知られています。また遊歩道にそって、滝の裏側を通り抜けることが出来る「裏見の滝」としても有名。この滝や周辺に訪れる四季の変化を伴いながらも、白い滝筋は絶え間なく流れ落ち、青い滝壺に飛沫をあげています。
緑蔭に囲まれた夏、雲間からの陽光が光の帯となって滝の斜めから射し込み、木々の枝葉や滝壺の巻きあがる水煙を照らしていました。また近くの茶屋の庭には、オレンジ色のノウゼンカズラが咲き、奥の白い滝筋に映えていました。
静かな秋、滝の前に枝を伸ばした楓の葉は、黄色や紅色となり、近くのナンテンは赤い実を付け、飛沫に濡れて水滴を垂らしていました。
雪が舞い散る冬、まわりの風の向きや強さにと滝からの瀑風によって、雪も方向を変えていました。そばの上昇喜龍の像やササは薄っすらと雪が積もっていました。
やっと訪れた新緑の春、滝も周りの植物たちも黄色や黄緑色に囲まれ、暖かく息づいていました。そして飛沫に濡れつつ、滝の裏側に入ると・・・、そこは滝の音が響き渡る別世界。カメラのレンズを拭きながら滝の向こうを見上げると、滝筋を透して青空が広がっていました。滑る足元の気を使いながら滝を通り抜け、濡れた目頭をぬぐうと、春の使者であるいナノハナが黄色い花がそよいでいました。
「慈恩の滝」は、その名のごとく自然と人々を慈しみつつ、巡って来る四季の恩恵に感謝しているようでした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2019年01月05日
- 更新日
- 2024年09月22日 07時 25分