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大分・由布「名水の滝」の四季
Four seasons of Meisui no taki (waterfall) in Oita pref.
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「名水の滝」は大分県由布市の黒岳のふもとにあります。近くのコバルトブルーの湧水として有名な「男池の湧水地」と相まって大分・由布の景勝地です。この男池から森の中に設けられた遊歩道を、20分ほど歩くと「名水の滝」に到着します。落差は10mほどの小さい滝ですが、2本の滝が大きな岩壁をつたって、水しぶきを上げて流れ落ちる姿は見事。そして、四季それぞれに異なった風情で、訪れる人々を迎えます。
夏は深い緑色の森に囲まれ、葉を付けた木々を通して白い滝筋が、茶色の岩壁を勢いよく流れ落ちています。周辺にマイナスイオンの飛沫を振りまき、ウドの蕾と花を濡らしていました。次に訪れたのは晩秋。森はすっかり葉を落とし、枝先に残った黄葉が、滝からの風に揺れ・・・。枯葉が岩壁や滝壺の岩の上に、濡れながら積もっていました。
そして氷雪期の冬、滝も森も、滝壺からの渓流も積雪による銀世界。滝は氷結していませんでしたが、岩壁や大きな岩には、所々、氷柱が見られ、木々の枝には樹氷で覆われていました。静寂と凍り付くような寒さの中、響いて来るのは滝の音だけで、思わず指先に息を吹きかけました。それから3か月経った4月中旬に、再訪しました。森や周りの植物たちは、黄緑色の新緑に萌え、滝壺や渓流の岩は、鮮やかな苔が付き・・・、傍では黄色のキスミレや薄紫色のスミレたちが、そよいでいました。滝も、なんだか楽しそうに規則正しい音を、立てていました。時々、野鳥たちの囀りも聞こえ、心地良い春の訪れでした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2018年07月17日
- 更新日
- 2019年10月16日 16時 47分