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日本各地の「内陸や峡谷での 柱状節理」
柱状節理(ちゅうじょうせつり)は、玄武岩や安山岩に五角形ないし六角形の柱状の割れ目が生じ、蜂の巣に似た形を示した岩石の柱が集合したものです。マグマが冷えて固まる際に、収縮して生じるために、これらが地表に流出した熔岩流の近くで、しばしば観察されます。柱状節理は長い年月を経た火山活動による地殻変動や断層部、その近くの峡谷や渓谷で多く見られます。それらの場所では、柱状節理は断崖や岩壁として表出し、幾何学的な美しい景観を造ります。これまで滝と海岸での柱状節理を紹介してきましたが、今回は内陸や峡谷・渓流で生じた 柱状節理を集めました。
玄武洞(げんぶどう)は、兵庫県豊岡市ある洞窟で柱状節理の岩壁で有名です。全部で5つの洞から形成され、洞窟の内外では5〜8角の柱状節理が亀甲状となっていて、不思議な美しさで人々を魅了します。
「やくの玄武岩」は京都府の夜久野町にあって、節理が露頭した岩壁は、高さは約15m、幅は150m。大自然の造形美としての景観を呈しています。
天人峡は北海道の大雪山国立公園の南東の山麓にあります。長い年月をかけて形成された柱状節理の断崖が続き、その風光明媚な景色が、天人峡のシンボルとしてがあまりにも有名・・・。
巌立(がんだて)は岐阜県小坂町にあって、濁河川と椹谷の合流点に存在します。主に柱状節理からなる岩壁で、付近一帯は、巌立峡と呼ばれていて、その周辺は紅葉の名所として知られています。
畳ケ淵は山口県の萩市弥富にあり、自然の力で造られた六角の玄武岩の柱状節理から成ります。渓谷の川岸には六角柱の「玄武岩柱状」が、整然と垂直に聳え立ち、川床には約2キロメートルにわたって、敷石を敷きつめたように亀甲状の柱頭が露呈しています。
火山列島の日本には、永い年月と多くの地殻変動の結果として、多くの景勝地があります。溶岩が固まる際に5、6角形の幾何学的な岩石からなる柱状節理が創る奇勝地も、その一つです。そしてこれらの景勝地にも、自然の一部として、四季折々の花や実が色を添えています。(潮 信輔)
- 登録日
- 2019年12月10日
- 更新日
- 2019年12月18日 23時 26分