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横浜港付近の産業遺産群(開港記念会館 神奈川県庁 税関本関庁舎、赤レンガ倉庫)
幕末に開港された横浜の街には、昔ながらの伝統ある建物群が多く現存し、今も多くの人々が働いています。とくに関内の日本大通り地区にある建物には特徴ある塔があり、「横浜三塔」と言われて、古くから愛され横浜港のシンボルとなっています。また明治末期から大正初期に建設された赤レンガの倉庫は、国の模範倉庫として建てられた歴史的建造物です。
開港記念横浜会館は1917年に、横浜開港50周年を記念して開館されました。赤煉瓦に花崗岩をとりまぜた建物で、通りに面した3つの隅部には、時計塔、角塔、八角塔を配し、「ジャックの塔」と呼ばれるドームが架けられています。
神奈川県庁の本庁舎は、関東大震災後の1928(昭和3)年に四代目の神奈川県庁舎として建てられたとのこと。建物は幾何学的な洋風の装飾模様の外観と、その中央部に建物のシンボルである和風の「キングの塔」が立ち上がっています。
税関本関庁舎は、1934年(昭和9年)に完成したエキゾチックな雰囲気を持つ建物。海外からの輸出入を管理・取り締まる税関として機能しています。そして白くスマートで、青緑色のドームを持つ高い塔は、「クイーンの塔」として親しまれています。
一方、横浜赤レンガ倉庫は明治末期から大正初期にかけて、国の模範倉庫として建造されました。最初は横浜税関新港埠頭倉庫と呼ばれていたとのこと。当時のレンガ建築技術の枠を集めて建造され、渋みのある赤いレンガと鉄骨が見事に組み合わされた歴史的建造物です。現在は次世代にも、横浜港の歴史文化を育成する取り組みとして、各種のイベントが季節ごとに催されています。
横浜港は東京と少し異なる風情があります。江戸時代の終わりごろに開港し、西洋文化に触れた港として発展し、明治・大正・昭和にかけて、その特色を引き継いできたためでしょう。横浜港の産業遺産群は、今もその文化が息づいています。(潮 信輔)
- 登録日
- 2023年08月02日
- 更新日
- 2023年08月02日 15時 22分