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夏・深緑期の郡上八幡城
Summer landscape of Gujo Hachiman Castle in GIfu pref.
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郡上八幡城は、岐阜県郡上市八幡町ある山城で、長良川の支流となる吉田川と小駄良川が天然の外堀となっている城郭です。これまで統治した城主らによって、何度も改築、改修が行われてきました。昭和8年(1933年)に建てられた現在の模擬天守閣は、現存する木造再建城として、日本最古とのこと。天守閣は市の有形文化財に、城郭一帯の石垣すべてが県の史跡に指定されています。
城下から眺める城の姿、また天守閣から見下ろした城下町のたたずまいは、素晴らしいかぎりです。司馬遼太郎は『街道をゆく』で「日本で最も美しい山城であり・・・」と称えているとのこと。わたしはこれまで4回、訪れましたが、天守閣から望む魚の形をした城下町や奥美濃の山並が一望でき、いつ来ても見飽きません。またこの城の敷地には、約100ものモミジなどが植えられていて、四季折々の変化で、白い天守や野面積みの石垣に寄り添っています。
今回、来たのは7月の快晴の日。山城を取り巻くカエデを主体とする木々も、盆地にある城下町の周囲の森も、深い縁に包まれていました。また野面積みの石垣も緑の苔が目立ち、それらの中、白い漆喰の天守閣、櫓、塀が青空の下で、鮮やかに光っていました。天守閣に入り、急な勾配の木の階段を、滑らないように気を付けながら天守閣へ。そして窓からは、魚の形をした城下町が一望でき、とくに魚の尾びれに似た所が、印象的でした。
山城なので吹いてくる風が心地よく、暑さを忘れさせてくれました。そばのカエデの葉も、揺れながら時折、チラチラと木漏れ日を運んで来ました。何かホッとする郡上八幡城でした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2019年06月20日
- 更新日
- 2019年06月20日 11時 21分