TOP > テーマ別おすすめ画像 > 紅葉期と深緑期の郡上八幡城
テーマ別おすすめ画像
紅葉期と深緑期の郡上八幡城
郡上八幡城は、岐阜県郡上市八幡町ある山城で、長良川の支流となる吉田川と小駄良川が天然の外堀となっている城郭です。これまで統治した城主らによって、何度も改築、改修が行われてきました。昭和8年(1933年)に建てられた現在の模擬天守閣は、現存する木造再建城として、日本最古とのこと。天守閣は市の有形文化財に、城郭一帯の石垣すべてが県の史跡に指定されています。
城下から眺める城の姿、また天守閣から見下ろした城下町のたたずまいは、素晴らしいかぎりです。司馬遼太郎は『街道をゆく』で「日本で最も美しい山城であり・・・」と称えているとのこと。わたしはこれまで4回、訪れましたが、天守閣から望む魚の形をした城下町や奥美濃の山並が一望でき、いつ来ても見飽きません。またこの城の敷地には、約100ものモミジなどが植えられていて、四季折々の変化で、白い天守や野面積みの石垣に寄り添っています。
秋・紅葉期の天守閣は青空の下、秀麗な姿ですっくと立って紅葉に映えていました。櫓、城壁や石垣も、カエデを主体とした木々は黄葉や紅葉のグラデーションに囲まれ、静かな山城を際立たせて。眼を山側に向けると濃い常緑樹の森の中に、黄葉や紅葉の部分が混じり、本格的な秋の風情が到来したことを告げていました
また夏・緑葉期の郡上八幡城は、城を取り巻くカエデを主体とする木々も、盆地にある城下町の周囲の森も、深い縁に包まれていました。また野面積みの石垣も緑の苔が目立ち、それらの中、白い漆喰の天守閣、櫓、塀が青空の下で、鮮やかに光っていました。
ほぼ同じ場所から郡上八幡城を見ると、天守閣や城門・石垣は不動ですが、時は流れてカエデや森の木々は、葉を紅葉から緑葉へと移り変わっていました。そして見比べると自然の愛しさが一層、感じられるから不思議です。積雪期にも訪れたいと思いました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2020年06月10日
- 更新日
- 2020年06月10日 10時 14分