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紅葉期の立石寺(山寺)
山寺の通称で知られる立石寺(りっしゃくじ)は、山形市にある天台宗の寺院です。貞観二年(860年)に慈覚大師円仁によって創建され、古来より、悪縁切り寺として信仰を集めてきました。岩が多い地形に沿って、千段を越す石段が続き、一歩進むごとに煩悩が消えていくという修行の道とのこと。この広くて森に囲まれた山寺の境内には、坂道に沿って多くの建物群、石仏群や石碑・奇岩が立ち並んでいます。松尾芭蕉がこの寺で詠んだ俳句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は、あまりにも有名。
根本中堂は山全体の寺院の本堂に当たる御堂で、入母屋造・五間四面の建物です。ブナ材による建物としては日本最古。また堂内には、比叡山で伝教大師(最澄)が灯した火を分灯した「不滅の法灯」があり、1,000年以上の時を経ても、灯り続けているとのこと。仁王門は参道の中腹にある入母屋、銅板葺の優美な門です。左右には、運慶の弟子たちの作と云われる仁王尊像が安置されています。開山堂は百丈岩の上に立ち、立石寺を開かれた慈覚大師の御堂です。そのすぐ傍で岩の上の赤い小さな堂が、納経堂で山内で最も古い建物とのこと。
五大堂は、断崖に突き出すように築かれた建物で、五大明王を祀っています。舞台造りの建物で、ここからの眺めは、立石寺随一。眼下に麓の家並みも一望できます。
秋の山寺(立石寺)は山肌も多くの建物も、黄葉や紅葉に包まれて、東北の澄んだ青空に映えていました。参道の巨岩や石仏に挨拶しながら、緩急の坂道の石段を一歩づつ、昇って行きました。ときどき汗ばんだ肌に、ひんやりとした風を感じ、五大堂まで歩を進め・・・、その舞台に入り、四方から見える眼下の秋景色に感動しました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2019年11月19日
- 更新日
- 2020年01月02日 21時 45分