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ヒガンバナ(彼岸花)の四季と風情
Seasonal changes of Lycoris radiata
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ヒガンバナ(彼岸花)は中国原産で、単子葉植物に属する多年草です。わが国へは、稲作とともに伝来したと言われています。別名は曼珠沙華。仏教の経典では、おめでたい事がおこる兆しに、赤い花が天から降ってくる”天上の花”という意味があるとのこと。
秋の季語となっているように、秋の訪れとともに、お彼岸ごろに咲きます。多くは鮮やかで真っ赤なヒガンバナですが、白や黄色のヒガンバナもあります。とくに黄金色の稲田や石積みの棚田で、そのあぜ道に帯状に咲く燃えるような赤いヒガンバナ。日本の里村の原風景です。また里山の林や森に群生する深紅の放射状の舌状花は、草の緑に囲まれて美しい絵模様をみせてくれます。
ところで、急に茎が伸びてきて数日間、車輪状、放射状に花が咲き、花が終わっても実はつけなくて茎だけになります。そうです、開花期には葉がなく、葉がある時期には花はありません。不思議な植物ですが、澄んだ秋の空気の下、田舎道で西日に輝くヒガンバナの風情は、日本人の心にしみ込みます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2019年09月27日
- 更新日
- 2022年09月27日 16時 54分