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北部九州の陶磁器・窯元の里
Ceramics andporcelain villages in northern Kyushu
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日本各地には陶磁器の生産地が多くあり、昔より地域の窯業として日常生活を支えてきました。また我が国の美術品として、外国への輸出も盛んに行われてきました。とくに北部九州は中国大陸や朝鮮半島に近いこともあって、有名な窯元が今も陶磁器を生産し続けています。ところで製品としての陶磁器が出来上がるまでには、多くの過程があります。まず鉱山からの原土の採取と乾燥から始まり、唐臼を使っての固い原土の粉砕、水を加えて攪拌、濾過槽での水抜きが行われます。その後、ろくろを使っての成形、天日下での乾燥、表面の装飾と釉薬による施釉がなされます。次の段階としては、割れを防ぐための作品の素焼き、主に薪を使った登り窯での30時間以上もの焼成・・・、そして自然の冷却のちの窯出し、これらの手の込んだ長期の作業の結果として、伝統ある陶磁器が生まれます。
北部九州の各県にある陶磁器の窯元群として、佐賀の有田焼と伊万里焼、長崎の波佐見焼、福岡の小石原焼、大分の小鹿田焼の現場を訪れました。レンガ造りの煙突が並ぶ街並み、水流を活用した唐臼、登り窯、多彩な展示物などを紹介します。自然の力と人々の労力が創り上げた「陶磁器の里」の風情と情緒が漂っています。土の匂いがします。(潮 信輔)
- 登録日
- 2019年10月24日
- 更新日
- 2019年10月24日 13時 38分