TOP > テーマ別おすすめ画像 > 初秋の白神山地「3つの暗門の滝」
テーマ別おすすめ画像
初秋の白神山地「3つの暗門の滝」
白神山地は青森県の南西部と秋田県の北西部にまたがる、広い山地です。日本海寄りで、半年も雪に覆われるという寒冷な気候です。そして、ブナの原生林が残る最後の宝庫として世界遺産(自然遺産)に認定された白神山地。「暗門の滝」群はこの山地の中にあり,3か所の滝が、それぞれ第一、第二、第三の滝と呼ばれています。
今回、訪れたのは初秋。まずブナをはじめとする樹木の森に囲まれた山地を登り、暗門の滝で落差が最も長い第一の滝(高さ42m)に着きました。そしてルートを降りてゆくと、約200メートル下流には第二の滝(高さ37m)、さらに約160メートル下ると第三の滝(高さ26m)に出会います。いづれも急峻な断崖から勢いよく流れ落ちる白い滝筋、岩にあたって幅広くなった瀑布、青い滝壺、時たま生じる虹・・・。3箇所の滝は、それぞれ特徴があり、訪れた人々もそれぞれの感慨にふけっているようでした。
散策路は峻険な岩壁や細い谷川筋に沿ってあります。とくに第一の滝と第二の滝の間には、岩壁をくり抜いた長い洞窟の道となっていて、先人の苦労が偲ばれました。また滝の周りや、遊歩道のいたる所に散在する大小の苔むした巨石、自然のままに倒れたブナの大木や老木。それらの根元や倒れた幹も苔むし、そこから小さな若い木たちが、空に向かって伸びていました。
滝から離れ岩の間を流れる渓流も、狭いところでは急流となって飛沫を上げ、広いところではエメラルドグリーンとなってゆっくりと流れていました。なお遊歩道の近くには、黄色いアキノキリンソウ、白いダイモンジソウやサラシナショウマの花、紫色のツリフネソウが、ひっそりと咲いていました。そしてオレンジ色のツリバナの実や名前がわからない赤い実たちも、白神山地にある暗門の滝の周りに、本格的な秋が近いことを物語っていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2020年11月07日
- 更新日
- 2020年12月08日 08時 43分