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越中・五箇山の合掌造り集落「菅沼集落と相倉集落」
World Heritages: Historic Gassho-zukuri Villages of Gokayama in Toyama Prefecture
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富山県の五箇山地方は、東砺波郡平村(現在は南砺市)の山間部にあります。この地方は,約100〜350年前の昔から冬の豪雪に耐え、主屋の生活の場と養蚕などを生産する仕事場を、兼ね備えてきた茅葺き屋根の集落として有名。今は貴重で美しい日本の歴史的な原風景として、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、白川郷と共に世界遺産に登録されています。
菅沼集落は庄川の流れが方向を変えて、この川に突き出した舌状の台地にある小さな集落です。三方を川の流れに囲まれてた土地に、9戸の合掌造り主屋とこれに板倉・土蔵などの附属した小屋があります。自然と調和した、ありのままの姿を残しているところが魅力。また相倉集落は、斜面を流れる庄川の左岸にある細長い段丘上に、約20棟の合掌造り家屋が現存。山村としての開墾地や耕作地、また木材の採取地など、環境と生活の調和が見事に保存されています。
今回、これら2つの集落をおとずれたのは9月下旬。秋の青空のもと、古びた茶褐色の茅葺き屋根の合掌造りの家屋・・・、幾何学的な白い窓がくっきりと映えていました。そして家壁には、かっての農機具や生活用品も飾ってあり、庭先には赤紫色のキクや薄紫色のキキョウの花たちが、そして赤い郵便ポストが静寂を告げていました。田では稲穂が揺れ、稲刈りも進んでいました。また集落には小さな神社やお寺があり、秋の収穫を見守っているようでした。両集落には、都会を忘れさすような懐かしい日本の原風景が、たしかにありました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2022年04月01日
- 更新日
- 2022年04月01日 21時 11分