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天領「日田」の豆田町風情
Streets and houses of Mameta town in Hita city
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大分県の日田は、江戸時代に幕府直轄の天領として栄えてきました。とくに1686年に、日田に九州を統括する「西国筋郡代」が置かれてからは、長い年月をかけて九州の政治、経済の中心地として栄えました。大名の御用達として富裕な商人も活躍し、文化の面でも、大いに発展。現在もこれらが色濃く残るため、国選定の重要伝統的な建造物群の保存地区に指定されています。とくに町人文化の栄えたのが豆田町・・・。風格ある古い町家群が並び、なによりも伝統をまもる街の人々に、文化を担おうとする崇高な気質を感じます。
豆田町には江戸時代の風情が残り、整然とした屋敷割には、ところどころ見通しの悪い鉤型の町筋を形づくっています。それに現代の営みがほどよく調和している街並みです。主な通りは「みゆき通り」と「上町通り」ですが、その間にやや細い道が通い、周りには水路もあり、風情を高めています。
白い漆喰の家に設けられたナマコ壁や黒い板壁、重なり合ったくすんだ瓦屋根、花月川近くに建つ薫長酒造の高い煙突、風格ある長福寺など。町名が書かれた提灯類、江戸情緒を運ぶ人力車、てんびんを担ぎ編み笠をかぶった町人姿の人、古い商家の門前を飾る赤くて大きな傘など、情緒につつまれています。
色とりどりの古い看板も目に付きます。誘われて入ると江戸、明治、大正、昭和初期の数々の商品類の展示品が並び・・・、懐かしくて、ほの甘い想い出を呼び起こしてくれました。日田の豆田町界隈は、風情と情緒にあふれた街です。(潮 信輔)- 登録日
- 2019年11月12日
- 更新日
- 2019年11月15日 13時 14分