癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

老神峡谷は片品川の中流域にあって、深くて変化に富んだ渓流が、周りの山々や岩壁とよく調和しながら、四季折々の景観を見せてくれます。そしてこの渓谷の両岸に立ち並ぶ老神温泉の旅館群。老神温泉は大正末期に日本温泉百選にも選ばれた、歴史ある名湯の温泉郷です。そして夕暮れから夜、旅情をさそう宿の灯火、渓谷に架かる吊り橋や小径で老神温泉と書かれた提灯・・・。これらは渓流の音と共に、しっとりした温泉情緒を醸し出していました。

また、内楽橋から渓谷の川を見下ろすと、昭和３９年に出来たダムのために引っ越した数件の旅館の石跡が見え、時の流れを感じさせます。静かで落ち着いた掛流しの名湯を楽しんだ翌朝、老神渓谷は朝霧に包まれました。

重なり合う山々、森林、渓流や川面、そして高台に建つ旅館・・・。これらは朝霧で時とともに、かすんだり晴れたりして、新たな詩情を運んで来てくれました。（潮 信輔）