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深緑期の南会津「塔のへつり」
Famous place in Fukushima: To-no-Hetsuri (Natural Riverside Sculpture)
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国指定の天然記念物である「塔のへつり」は、南会津を流れる大川が形成した渓谷の景勝地です。「へつり」とは、“川岸が切り立ったような崖”を言い、この地方での方言で“危険な崖”との意味とか・・・。この地帯は凝灰岩や凝灰角礫岩などが層をなしています。そして軟弱部が、100万年もの長い年月による風化や水の浸食によって削られ、洞窟や奇岩・怪岩を形成したものです。
全長約200mにわたって、屏風岩、烏帽子岩、九輪塔岩などの奇岩が並ぶ岸壁・・・。それらの岩の下は、岩肌に掘られたような自然の遊歩道となっていて、揺れる吊り橋につながっています。
吊橋を渡ると大きな舞台岩があり、その大きい岩の下は洞窟となっています。その奥には、宝暦3年(1753)に再建されたとされる本堂があり、虚空蔵尊が安置されています。柱状の断崖に並ぶ奇岩の群は、仏塔のように見えることから、「塔のへつり」には、古くから自然の奇観に対して、崇拝的な信仰があったと思われます。
今回訪れた「塔のへつり」は、山の濃い緑と河の真緑が同化していました。紅葉の時期にまた来ようと、この渓谷に約束しました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2013年03月17日
- 更新日
- 2018年03月21日 17時 15分