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スイセンの晩秋から早春
Narcissus: from late autumn to early spring
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スイセン(水仙)は地中海地域を原産とする多年草の球根植物で、シルクロード、中国を経て、室町時代にわが国に渡来したと考えられています。色や形が異なる品種は多くあります。その中で、わが国の風土に適して野生化し、自生したものがニホンズイセン。冬から春にかけて、白と黄色の花を咲かせます。本州や九州の海岸沿いで多く見られ、とくに越前海岸に自生する広い水仙の群落は、日本一の規模を誇るほど有名。そこでニホンズイセンの生長を、写真で追ってみました。まず晩秋から冬に、やや厚くて扁平で細長い葉が、球根から叢生します。つぎに葉の間から蕾を付けた花茎が伸び・・・・・・、伸びきると、蕾も大きく成熟しつつ、横を向くようになります。そして薄い膜状の包を開きながら、やがて数個の花が下向きに散状に現れてきます。白い花びらは内外3枚ずつで、外側の3枚は萼で内側の3枚のみが花弁です。その下半分は合生して筒(花被筒)となり、その内側に黄色い副花冠が付きます。首をかしげるようにして咲く姿には、奥ゆかしさや気高さがあります。そして、冬の海辺の斜面で咲き乱れ、寒い風にも負けずに揺れる姿には、力強さ、たくましさを感じます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2008年02月22日
- 更新日
- 2016年09月26日 15時 52分