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カマツカの芽から実へ
Kamatsuka: from bud to fruit
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カマツカは東アジアに分布する落葉低木-小高木です。我が国では本州、四国、九州の丘陵帯に自生していて、高さ5-7m、直径10cmほどでそれ以上には大きくなりません。材質は堅く丈夫で弾性が強いので、昔より鎌や鎚の柄に活用されてきました。別名はウシコロシ。これは牛の鼻環をつけるときにこの木で穴を開けたことに由来します。 4-5月ごろ、短い枝先に複散房花序を付け、小さな白い花が集まって咲きます。花弁は5個で円形。一つの花は、約8mm大の小さな白い花で、おしべは20個。葉は楕円形で葉先は尖っていて、葉縁には細かい鋸歯が見られます。 花の後は楕円形の果実を付け、緑色の実は次第に黄色く色づいてゆき、秋には赤く熟します。そして厳しい冬の里山で、赤褐色の冬芽は春を待ちます。 カマツカは里山でひっそりと咲く、白くて小さな地味な花です。秋に熟した赤い果実も、小さくて控えめです。しかし晩秋から初冬にかけて、落葉のひんやりした森や林で枝先に留まる赤い実に出会うと、ちょっぴり暖かさを貰った気になります。(潮 信輔)
- 登録日
- 2009年04月08日
- 更新日
- 2016年09月26日 12時 12分