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モッコク(木斛)の四季
Four seasons of Mokkoku
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モッコク(木斛)は常緑の中高木で、関東より西の温暖な地域に自生しています。木の生長が遅く、特別な剪定をしなくても整った樹形を保ちます。そのために各地の公園や庭園の庭木として、広く植えられています。派手さがなく、他の植物を引き立たせるような役割をしています。そこが魅力的です。樹皮も淡い灰褐色で滑らかで、丸い皮目が浮かぶように点在します。 春、黄緑色の若葉は明るく萌え、へら形、しゃもじ形の様な葉身へと育ちます。その柄は紅紫色を帯び、互生する葉は枝の先に放射状に集まります。そして1年枝の基部から、小さな蕾が下向きに単生します。夏の陽を浴びながら、蕾は次第に大きくなり、1.5cmほどの黄白色の花をつけます。花は両性花で、がく片と花弁はともに5枚です。花のあとは1つの青い実をつけます。 秋、大きくなった果実は、ビー玉のような球形で3つの割れ目があります。そして晩秋から冬・・・・・・、実は熟し、ぶ厚い果皮は3つに裂開して、その中から赤い種子が顔をのぞかせます。冬、実は落ちても、厚くて滑らかで光沢のある常緑の葉は、柔らかい冬の陽を浴びて、控えめに輝いています。その姿は冷たい空気の中でも、清らかです。 モッコクは控えめな木です。しかし自分の役目を知っているかのように、四季に合わせて、つつましく特色を見せてくれます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2021年12月15日
- 更新日
- 2021年12月15日 12時 41分