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夏・深緑期の信州・上田「常楽寺」
Jorakuji Temple in Ueda city, Shinshu
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信州上田の常楽寺は、温泉で有名な別所の地にあって、別所三楽寺(常楽・安楽・長楽寺)の1つです。北向観音の本坊で、平安時代に開かれた天台宗の古刹。鎌倉時代にも北条氏の庇護の下、学問と仏教文化に深く関係してきました。その本堂の屋根は茅葺きで、大きくて厚みがあり、ゆったりとして・・・、なだらかな傘のようで、見る人に安心感を与えてくれます。山側から見ると、緑に苔むしていました。 この本堂の前庭には、樹齢300年という船形の赤松の老古木、「御船の松」が横わたっています。全長が約20mで、枝を地を這うように延ばしています。長い年月を経て、堂々としたその姿は見応えがあります。歴史を見つづけてきたその姿は、実に感動的です。 裏山につづく杉木立の参道を行くと、国の重要文化財である「石造の多宝塔」が・・・。重要文化財に指定された石造りの塔は、全国で2ヶ所のみとのこと。安山岩で出来たこの多宝塔は、高さ約3mで上下に二層の屋根を持つ塔です。そして左右にある古びた多層塔とともに苔むし・・・、700余年の歴史を秘めていました。これらの塔はうっそうとした杉林に囲まれて、静寂で厳粛な雰囲気の中で、ひっそりと建つていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2013年05月12日
- 更新日
- 2017年08月13日 19時 45分