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緑葉期の古刹「龍潭寺」
Ryotanji Temple in autumn: a historic old temple designed by Kobori Ensyu
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浜松市にある遠州の古刹龍潭寺は、733年(天平5年)に開かれたと言われています。平安時代からは井伊家の菩提寺として知られています。山号は「万松山」で、国指定の名勝である池泉鑑賞式庭園は、こころにしみ通るような美しさと優しさに満ちています。 四脚門造りの山門、端正な仁王門、素朴な鐘楼、重厚な本堂の瓦屋根・・・。本堂の内部に入ると、柔和な釈迦如来像が迎えてくれます。廊下隅にある「竜の彫刻」と古い「鶯張りの廊下」は有名で、ともに左甚五郎作とのこと。黒光りするひんやりした廊下を歩くと、キュッキュッと鳴る音が本堂内に響きました。
小堀遠州作の池泉鑑賞式庭園は見事です。まず本堂の座敷から柱の間をとおして見る庭園は、まるで並んだ額縁絵を見るようです。次に縁側に腰を下ろし、庭園を見つめると、丸く剪定された木々の緑色と灰白色の石肌とが、互いに助け合っています。そしてその姿が心字池に映って・・・・。そこは時間が止まっています。静寂に包まれた浄土庭園で、心字池と峰と石組みの調和は、見る人の心にしみ入ります。本堂の正面に広がる石庭に大洋を感じ、傍ではハスの実が風に揺れていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年08月03日
- 更新日
- 2016年10月01日 11時 01分