TOP > テーマ別おすすめ画像 > 浜松城の天守閣と野面積みの石垣
テーマ別おすすめ画像
浜松城の天守閣と野面積みの石垣
Tower and stone walls of Hamamatsu Castle
/
静岡県にある浜松城は遠州一帯を見渡せる三方原台地の東南部の地に、徳川家康が本格的に築城した梯郭式の平山城です。そして29歳から45歳までの17年にわたって住み、駿府と遠州方面を統治した徳川家の拠点です。姉川、長篠、三方ヶ原などの合戦にも、この城から出陣。その後、代々の徳川家と深い家柄の譜代大名が居城し、老中をはじめ多くの幕閣に登用されたことから、「出世城」と呼ばれるようになったとのこと。
この城の石垣は、素朴で荒々しい「野面積み」で有名。これは自然石を上下に組み合わせて積む堅固な石垣です。外見は粗雑ですが、奥が深く、排水性にも優れているため耐久性に富んでいます。現在の石垣の多くは、1570年に築城された当時のままとのこと。天守台は天守曲輪の内部にあって、ほぼ長方形をしており、その周りは「野面積み」の石垣で囲まれています。約400年の風雪に耐え、今なお戦国時代の荒削りな面影が偲ばれます。
苔むした石垣のすき間には、野草たちが自生し、風に揺れていました。また堀は水を通さない空堀です。夜に月が、この素朴で荒削りな「野面積み」の石垣と天守台を照らしたら、戦国時代の城の面影と風情と時の流れを、強く感じることでしょう。(潮 信輔)
- 登録日
- 2009年04月04日
- 更新日
- 2021年06月18日 15時 23分