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栃木・足利学校の方丈、庫裡、書院、庭園、衆寮、他
Ashikaga Gakko (the oldest academic institution in Japan)
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栃木県にある足利学校は、日本最古の学校でわが国の教育の歴史上、忘れられない施設です。奈良時代に創建されたともいわれ、平安、室町、戦国時代の栄枯盛衰を経ながらも、わが国の知識、学問、文化を担って来ました。中世における高等教育機関で、とくに戦乱が続いた戦国時代でも学問の灯火を護り、関東における最高学府でした。1550年には、日本を訪れていたフランシスコ・ザビエルが、“日本国中最も大にして、最も有名な坂東の大学”と世界に紹介されたとのことです。当時は諸国から集まり学問に励んだ学徒は3千人もいたとのこと。
方丈は全国から学びに来た学生の講義、種々の学校行事、また来客のための座敷として使われました。復元された茅葺き屋根の寄棟造りの方丈、本瓦葺きで唐破風が付いた玄関・・・、当時の格調ある学問の府であったことを、今も語っています。
書院は校長の書斎で、接客や学生に個人授業が行われたところです。栗の板を重ねて葺いた屋根が、秘めた壮麗さを感じさせます。
庫裡は学校の台所、食事など日常生活が行われたところで、衆寮は学生が自ら勉強し生活した場所です。
北庭園は築山泉水式庭園で、湧き水の池と築山からなり、水際は亀の様に見えます。一方、南庭園は枯山水を主体としたもので、鶴がはばたくように見える姿になっています。
足利学校は、奈良、平安、室町、戦国時代にわたる期間、わが国の文武、理性や哲学、医学などを守り抜いてきました。「知性の場」であった証しが、風格ある姿として随所に見ることができます。そして訪れる人々に、それぞれの人生に語りかけながら、感慨を呼び起こしてくれます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年07月21日
- 更新日
- 2016年09月23日 10時 31分