文学と画像
『美しい言葉と、時を感じる画像を求めて』
日本人はこれまで、万葉集、和歌集、明治以降の文学、大正以降の唱歌や童謡、戦後の解放的な歌謡曲など、たくさんの日本語独自の言葉を巧みに使い、作品を作ってきました。そしてその中には、「心に染みわたる情景や情緒」、「人生の喜怒哀楽」、「自然の美しさを表した文章や文字の流れ」が、息づいております。
そして私たちは現在、日本語として、「漢字」「ひらがな」「カタカナ」の3つの表現方法を組み合わせて使っています。3つ表現方法を文章の中に取り入れている国は、我が国だけといわれています。
漢字は表意文字で主に「知識」を、表音文字であるひらがなは「情緒」を、そしてカタカナは「外来と効果音」を表しています。日本人は古来よりこの「3つの表現方法」を用いることで、五感に富んだ表現をしてきました。
これらの言葉と「画像」を結びつけることで、より多くの、より豊かな、より広い「癒しと憩い」を感じることができるのではないでしょうか? そこで、懐かしい情景や情緒をしめす文章や文言と、それに合うような画像を選んでみました。
『万葉集に詠まれた植物』
日本最初の歌集である「万葉集」は、7〜8世紀の間にさまざまな歌人によって詠われ、日本の文学を形成する大切な礎となっています。
恋人や家族、子供への想いを綴った歌、宮廷祭式など儀式の様子を表す歌、葬送や哀傷の歌、自然を賛美した叙景歌などさまざまな歌があり、自然の草花や樹木、鳥獣も歌の中に折り込まれてきました。
ここでは万葉集の中に出てくる植物を集めました。 植物と歌を見比べながら当時の様子に想いを馳せてみてください。
- アオギリ / 大伴旅人謹みて状す 梧桐の日本琴一面此..
- アカマツ / 磐代の浜松が枝を 引き結び真幸くあばら..
- アシ / 葦辺行く 鴨の羽がひに 霜降りて 寒き..
- アジサイ / 紫陽花の 八重咲く如く弥つ代にを いま..
- アセビ / 池水に 影さへ見えて 咲きにほふ馬酔木..
- アマドコロ / 蘆垣の 中の似児草 にこよかにわれと笑..
- アミガサユリ / 時時の 花は咲けども 何すれそ母とふ花..
- イカリソウ / 春されば まづ三枝の 幸くあらば後にも..
- イチョウ / ちちの実の 父の命 柞葉の 母の命 お..
- イヌビワ / ちちの実の 父の命 柞葉の 母の命 お..
- イネ / 稲春けば かかる吾が手を 今夜もか 殿..
- イワタバコ / 気の緒に 思へるわれを山ぢさの花にか君..
- ウキクサ / 解衣の 恋ひ乱れつつ 浮沙生きてもわれ..
- ウツギ / 卯の花も いまだ咲かねば 霍公鳥佐保の..
- ウメ / あしひきの 山下日影 蘰ける上にやさら..
- ウワミズザクラ / 味さはふ 妹が目離れて 敷栲の枕も 纒..
- エゴノキ / ・・・世の人の 立つる言立 ちさの花咲..
- オキナグサ / 芝付の 御宇良崎なる 根都古草逢ひ見ず..
- オケラ / 恋しけば 袖も振らむを 武蔵野のうけら..
- オニユリ / 燈火の 光に見ゆる さ百合花後も逢はむ..
- オミナエシ / 手に取れば 袖さへにほふ 女郎花この白..
- カエデ / わが屋戸に黄変つ鶏冠木 見るごとに 妹..
- カキツバタ / 杜若 衣に摺りつけ大夫の きそひ猟する..
- カシ / ・・・ただ独り い渡らす児は 若草の ..
- カシワ / 稲見野の あから柏は 時はあれど 君を..
- カタクリ / 物部の 八十少女らが汲みまがふ 寺井の..
- カラタチ / 枳の 棘原刈り除け 倉立てむ屎遠くまれ..
- キキョウ / 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど夕影に..
- キササゲ / 梓弓 引かばまにまに 依らめども後の心..
- キリ / 大伴旅人謹みて状す 梧桐の日本琴一面此..
- キンモクセイ / 紅葉する 時になるらし 月人の楓の枝の..
- クズ / 雁がねの 寒く鳴きしゆ 水茎の岡の葛葉..
- クマザサ / 小竹の葉は み山もさやに 乱るともわれ..
- クリ / 三栗の 那賀に向へる 曝井の絶えず通は..
- クワ / 足乳根の 母が園なる 桑すらに願へば衣..
- ケイトウ / 秋さらば 写しもせむと わが薪きし韓藍..
- コウゾ / 水沫なす 微き命も 栲縄の 千尋にもが..
- コウヤボウキ / 始春の 初子の今日の 玉箒手に執るから..
- コケ / み吉野の 青根が峰の 蘿席誰か織りけむ..
- コナギ / 醤酢に 蒜搗き合てて 鯛願ふわれにな見..
- サカキ / ・・神の命 奥山の 賢木の枝に白香つけ..
- サクラ / あしひきの 山の間照らす 櫻花この春雨..
- ササユリ / 燈火の 光に見ゆる さ百合花後も逢はむ..
- サトイモ / 蓮葉は かくこそあるもの 意吉麿が家に..
- シキミ / 奥山の 樒が花の 名のごとやしくしく君..
- シバ / 立ちかはり 古き都と なりぬれば道の芝..
- ショウブ / 霍公鳥 待てど来鳴かず 菖蒲草 玉に貫..
- シラン / ・・・豈慮らめや、蘭恵叢を隔て・・・大..
- スイカズラ / 玉葛 花のみ咲きて 成らざるは誰が恋ひ..
- スギ / 古の人の植ゑけむ 杉が枝に霞たなびく ..
- スゲ類 / 吾妹子が 袖をたのみて 真野の浦の小菅..
- ススキ / 婦負の野の 薄押し靡べ 降る雪に屋戸借..
- スミレ / 春の野に すみれ採みにと 来しわれそ野..
- セリ / 丈夫と 思へるものを 太刀佩きてかには..
- センダン / 妹が見し 棟の花は 散りぬべしわが泣く..
- タケ / 植竹の 本さへ響み 出でて去なば何方向..
- タデ / わが屋戸の 穂蓼古幹 採み生し実になる..
- チガヤ / 天にあるや 神楽良の小野に 茅草刈り草..
- チョウジザクラ / 味さはふ 妹が目離れて 敷栲の枕も 纒..
- ツゲ / 朝月の 日向黄楊櫛 旧りぬれど何しか君..
- ツツジ / 風速の 美保の浦廻るの 白つつじ 見れ..
- ツユクサ / 月草に 衣は摺らむ 朝露にぬれて後には..
- ツリガネニンジン / 春されば まづ三枝の 幸くあらば後にも..
- テイカカズラ / ・・・遠つ国 黄泉の堺に はふ蔦の各が..
- ナシ / 露霜の 寒き夕の 秋風に もみちにけり..
- ナツメ / 玉掃 刈り来鎌麿 室の樹と棗が本と か..
- ナデシコ / 野辺見れば 撫子の花 咲きにけりわが待..
- ナンバンギセル / 道の辺の 尾花がしたの 思ひ草今さらに..
- ニラ / 伎波都久の 岡の茎韮 われ摘めど籠にも..
- ニワウメ / 山吹の にほへる妹が 朱華色の赤裳の姿..
- ニワトコ / 君が行き 日長くなりぬ 山たづの 迎へ..
- ネジバナ / 芝付の 御宇良崎なる 根都古草逢ひ見ず..
- ネムノキ / 昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木の花君の..
- ノイバラ / 道の辺の 荊の末に 這ほ豆のからまる君..
- ハギ / 高圓の 野邊の秋萩 いたづらに咲きか散..
- ハス / ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に渟れる..
- ハマユウ / み熊野の 浦の浜木綿 百重なす心は思へ..
- ヒオウギ / 居明かして 君をば待たむ ぬばたまのわ..
- ヒカゲノカズラ / あしひきの 山下日影蘰ける 上にやさら..
- ヒガンバナ / 路の辺の 壱師の花の いちしろく人皆知..
- ヒトリシズカ / つぎねふ 山城道を 他夫の 馬より行く..
- ヒノキ / 往く川の 過ぎにし人の 手折らねばうら..
- ヒメシャガ / をみなへし 佐紀沢に生ふる 花かつみか..
- ヒメユリ / 夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の知らえ..
- ヒヨドリバナ / 天皇と、太后と、共に大納言藤原の家に幸..
- ヒルガオ / 高円の 野辺の容花 面影に見えつつ妹は..
- フクジュソウ / 春されば まづ三枝の 幸くあらば後にも..
- フジ / 春日野の 藤は散りにて 何をかも御狩の..
- フジバカマ / 萩の花 尾花葛花 瞿麦の花女郎花 また..
- フタリシズカ / つぎねふ 山城道を 他夫の 馬より行く..
- フヨウ / 梨棗 黍に粟つぎ 延ふ田葛の後も逢はむ..
- ヘクソカズラ / 皀莢に 延ひおぼとれる 屎葛絶ゆること..
- ベニバナ / 外のみに 見つつ恋せむ 紅の末摘花の ..
- ホオノキ / わが背子が 捧げて持てる ほほがしはあ..
- ボケ / 池水に 影さへ見えて 咲きにほふ馬酔木..
- マダケ / 植竹の 本さへ響み 出でて去なば何方向..
- マツ / 磐代の浜松が枝を 引き結び真幸くあばら..
- マユミ / 南淵の 細川山に 立つ檀弓束纒くまで ..
- マンリョウ / わが屋前の 花橘の 何時しかも珠に貫く..
- ミズアオイ / 醤酢に 蒜搗き合てて 鯛願ふわれにな見..
- ミツマタ / 春されば まづ三枝の 幸くあらば後にも..
- ムクゲ / 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど夕影に..
- ムベ / 春されば まづ三枝の 幸くあらば後にも..
- メハジキ / わが屋前に 生ふる 土針 心ゆも想はぬ..
- モクレン / 山吹の にほへる妹が 朱華色の赤裳の姿..
- モモ / 春の苑 紅にほふ 桃の花下照る道に 出..
- ヤドリギ / あしひきの 山の木末の 寄生取りて挿頭..
- ヤブカンゾウ / わすれ草 わが紐に付く 香具山の故りに..
- ヤブガラシ / 葎はふ 賎しき屋戸も 大君の坐さむと知..
- ヤブコウジ / あしひきの 山橘の 色に出でよ語らひ継..
- ヤブツバキ / 巨勢山の つらつら椿 つらつらに見つつ..
- ヤブラン / 妹待つと 三笠の山の 山管の止まずや恋..
- ヤマアイ / 級照る 片足羽川の さ丹塗の 大橋の上..
- ヤマゴボウ / 春されば まづ三枝の 幸くあらば後にも..
- ヤマザクラ / あしひきの 山の間照らす 櫻花この春雨..
- ヤマツツジ / 風速の 美保の浦廻の 白つつじ見れども..
- ヤマフジ / 春日野の 藤は散りにて 何をかも御狩の..
- ヤマブキ / 山振の 立ち儀ひたる 山清水酌みに行か..
- ヤマユリ / 燈火の 光に見ゆる さ百合花後も逢はむ..
- ユズリハ / 古に 恋ふる鳥かも 弓絃葉の御井の上よ..
- ヨメナ / 春日野の 煙立つ見ゆ 少女らし春野のう..
- ヨモギ / 大君の…霍公鳥 来鳴く五月の 菖蒲草蓬..
- リンドウ / 道の辺の 尾花がしたの 思ひ草今さらに..
- ワタ / 山高み 白木綿花に 落ち激つ滝の河内は..


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