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キカラスウリ(黄烏瓜)の四季
The four seasons of Trichosanthes japonica
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キカラスウリ(黄烏瓜)は、日本と中国を原産とするウリ科でカラスウリ属の蔓性の多年草です。わが国では、本州、四国、九州まで広く分布。山地や山野で、樹木などにからみついて、蔓を伸ばして、増えて行きます。雌雄異株で、花期は7〜9月ごろ。夕方〜朝にかけて白い花を咲かせます。そうです。花は陽が沈んだごろから咲き始め、翌朝には萎むという、恥ずかしがりの花でもあります。
夏の白い花は、見ごたえがあります。直径7〜10cmもあり、筒状で先端は5弁にわかれ、花冠の裂片の先は、それぞれ長くて細い糸状になり・・・、まるで繊細な白いレースのように見えます。また、花びらの先がY字形に裂け、布の先がほつれたような花にも。
秋になると、雌花は、しぼんだ花の付け根が、膨らんで黄色い実をつけます。果実は約10cmの形状で、最初は緑色をしていますが、晩秋には次第に熟して行き、黄色になります。 このキカラスウリは、地下部に太い塊茎があり、大量のデンプンを蓄えています。 なお、このデンプンは、あせもの常備薬であった天花粉(天爪粉)として、この塊茎の澱粉から作られていたとのこと。幼いとき、湯上りに、母からよく付けてもらったものです。
キカラスウリは毎年、同じ場所に繁茂する傾向があり、しばしば農家の納屋や市街地の空き地のフェンスなど、いろいろな場所で出会えます。夏もすぎ、秋めいてくると、散策の際には、この黄色くて円い実を、いつの間にか探している自分に気づきます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2016年10月06日
- 更新日
- 2024年07月19日 05時 46分