癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

「蕨野の棚田」は、佐賀県の相知町にあって、日本の棚田百選に認定されている景勝地です。八幡岳（標高764m）の中腹から裾野にかけて、山々に囲まれた盆地的な地形を成し、その美しい緩やかな丘に、大小1,050枚の 棚田が馬蹄形に、扇状に広がります。懐かしい原風景です。

とくに起伏のある山肌に石が階段のように幾重にも積み上げて・・・、複雑な模様を描く棚田。昔から築かれてきた棚田は、なつかしい想い出を呼びかけます。

　夏、太陽はさんさんと輝き、段違いの棚田で、稲田は濃い緑に覆われます。周りを取り巻く森の樹木も、傍の木々も、深緑の葉を繁らせ・・・、陽光を浴びて、緑一面の稲田に影を映します。そしてそれらの間を、細いあぜ道は白い曲線を描きます。堅固な石積みに続く近くの草むらには、濃いオレンジ色のオニユリが頭を垂れながら咲いて、暑さを運んでくるようです。

夏の暑さのなか、稲の葉は太陽のエネルギーを受けながら、葉緑素を用いて光合成をし、栄養分を蓄え、秋の稔りへと役目を果たしているのでしょう。有りがたいことです。（潮 信輔）