TOP > テーマ別おすすめ画像 > 犬吠埼の海岸と晩秋の植物たち
テーマ別おすすめ画像
犬吠埼の海岸と晩秋の植物たち
/
犬吠埼は千葉県銚子市のはずれ、関東平野の最東端にある岬です。太平洋に突出する岬・・・。太平洋の荒波が岩にくだけるさまを、目の前で見ることができます。そして緯度と経度の関係から、日本で一番早く初日の出を見ることができる所です。傍にあるのが犬吠埼灯台・・・。塔形をしたレンガ造りの大型灯台で、太平洋を行き来する船舶の道しるべの役目を果たしています。
太平洋を臨む景勝地であるとともに、白亜紀にできた浅海特有の堆積構造が見られるとのことです。化石なども豊富で、国の天然記念物に指定され、また日本の地質百選にも選ばれています。犬吠埼灯台の下につづく遊歩道で、磯づたいに散策できます。洗濯岩のようにつならる黒い岩礁に当たっては砕ける白波・・・、 秋の涼風が直接、太平洋の香りを漂わせて、頬を打ちました。心をシャンとさせてくれました。
歴史的に文化財的にもそして地質学的にも価値が高い犬吠埼灯台と岬。数々の文人や墨客が訪れていて、大木の歌碑や詩碑が立つています。今回訪れたのは晩秋で、岬の草地にはいろいろな草木が息づいていました。潮風に揺れ続ける黄色のイソギク、ツワブキ、コマツヨイグサ、紫色のアザミとクコの花、白いノコンギクやシャリンバイ・・・、そして青いマルバノハマシャジン。これらの花は地味で、素朴で、背を低くして岬に彩りを加えていました。またノブドウ、ハマボッスとトベラの実も・・・、とくにトベラは朱色の種子を覗かせてくれて、少し暖かい気持ちにさせ、勇気も与えてくれました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年04月04日
- 更新日
- 2016年09月30日 10時 30分