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房総・笠森寺の参道風情(「参道坂」、「三本杉」、「子授樟」)
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房総・笠森寺は783年に、最澄(伝教大師)が開基したと伝えられている古刹です。山号を大悲山といい、「天台宗・別格大本山笠森寺」で、本尊が十一面観音像であることから、別名は「笠森観音」。巨大な岩の峰上に建てられた日本唯一の「四方懸造り」で有名です。
周辺の山々は、自然の森林におおわれています。とくに観音山の森は、関東地方の暖帯林の残存林として特徴的であるために、「国指定天然記念物 笠森寺自然林」として保護されています。笠森観音への参道には、急な男坂と女坂があり、手すりが付いているのが女坂。
参道を進むと松尾芭蕉もおとずれ、観音堂の上で、「五月雨に この笠森を さしもぐさ」と詠んだ句碑があります。またその近くには、根元が一つにつながっている天然記念物の三本杉が空に向かって起立しています。
三本杉の近くにあるのが、霊木の雰囲気が漂う「子授楠」。注連縄が巻いてあり、幹から根元には穴が開いていて・・・、その大きな穴をくぐると、子供を授かるといわれています。
笠森寺の周りは自然林に覆われ、参道の岩壁に彫られた仏像が、お参りの人々を優しく見守ってくれていました。森林を渡る風が、森の香り、野鳥のさえずりとともに、仏の慈愛を運んでくれている様でした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年06月05日
- 更新日
- 2016年09月23日 10時 50分