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初夏の有珠岳と有珠山
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北海道の有珠山は洞爺湖の南に位置し、 約2万年前から噴火を繰り返して成長した成層火山です。過去の100年間にも、4回の噴火活動が観測された日本でも活発な活火山・・・。2000年3月に生じた大噴火は記憶に新しいところです。20〜50年程度の間隔で噴火し、火口の位置は噴火の度に変わるとのこと。
現在は標高737mの二重式火山で、直径は1.8km。この中にに大有珠、小有珠、有珠新山などといった、溶岩でできた円頂丘群が形成されています。 また山麓には、昭和新山、明治新山などの円頂丘群も有しています。そして造山の歴史を語る洞爺湖有珠山地域は、2009年に日本で初めて「ジオパーク」に認定されています。ジオパークとは、「地質公園」、「地質遺産」などと呼ばれるとのこと。
有珠山には昭和新山のすぐ近くにある有珠山ロープウエーに乗り、赤茶色の昭和新山や青い洞爺湖の雄姿を眺めながら行けます。終点から約15分で、有珠山火口原展望台へ・・・。そこから1977〜78年の噴火の際にできた、潜在円頂丘である有珠新山の荒々しい姿を、近くでみることができます。多く存在する高温の噴気地帯・・・。火口原や斜面の荒々しい地肌からは、何か所も盛んに白い蒸気が昇っていました。
今回、訪れたのは6月。梅雨のない北海道の空は青く透き通り、赤みを帯びた火山の斜面から昇る白煙は、いくつもの筋となって風に流れていました。一方、歴史を刻んだ足元の地面には、黄色い蒲公英やコバルトブルーの勿忘草が、揺れて・・・。そこには山と空の荘厳さと、植物の優しさや繊細さとが、共に混じり合うような自然美に満ちていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2011年04月07日
- 更新日
- 2016年09月30日 15時 17分