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夏の日南海岸「鵜戸神宮」
鵜戸神宮は、宮崎県日南市にある神社で、日南海岸を代表する景勝地です。日本神話に語られる山幸彦・海幸彦の伝説の舞台となった、古代以来の海洋信仰の聖地で、旧社格は官弊大社。この神社の特徴は、何といっても海岸に面した断崖の大きな海蝕洞の中に、本殿が建っていることにあります。
桜門をくぐって本殿へと向かう起伏に富んだ参道には、朱色の玉橋、千鳥橋や、桜門、神門や鳥居が、海の青さに映えています。玉橋は釘を一切用いない橋板36枚からなる反橋で、「神橋」とも呼ばれています。そこから見下ろすと、日向灘に面した断崖の中腹に広さ約300坪、高さも8.5mもある大きな岩窟が・・・。そこに彩色鮮かで、本殿・幣殿・拝殿が一体となった権現造(八棟造)こけら葺の社殿が、がすっぽりと納まっています。建物の屋根のすぐ上には、濡れた岩塊が覆い被さるように迫り、自然の造形美とともに荘厳さに満ちています。
この洞窟の周りに広がる磯辺は、約1000万年から100万年前にかけて砂岩と泥岩が交互に堆積した地層とのこと。そして長い年月にわたって、激しい波浪や風雨に浸食されて、多くの奇岩や怪礁が生じ、眼下に広がっていました。海岸に聳え立つ二柱岩や亀石枡形岩といった奇岩群。とくに 亀石は、本殿前にある霊石で、注連縄で囲まれた桝形の窪みがあり、石頂に枡形の穴が開くことから「枡形岩」とも呼ばれています。その穴むかって男性は左手、女性は右手で、それぞれの願いを込めて、素焼きの「運玉」を投げ入れていました。入ると歓声がわきます。見ていると、応援したくなるから不思議です。
極彩色の社殿、灰褐色の奇岩や怪礁、紺碧の海、岩に砕ける太平洋 の白波、そして岩間には白いハマユウの花と緑色のトベラの実が潮風にゆれていました。 鵜戸神宮は静と動に加えて、いろいろな色が協調しあっていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2011年02月08日
- 更新日
- 2024年07月24日 10時 42分