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春の通潤橋と放水風景
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通潤橋は阿蘇外輪山の南西側に広がるすそ野にある、江戸時代に造られたアーチ型の大きな石橋です。水源に乏しい白糸台地へ、谷をはさんで水を送るために架けられた石組みの通水橋・・・。単一のアーチ型で、全長が約80m、橋幅6.65m、橋高も20mをこす、日本最初の堂々とした噴水管(逆サイフォン)式の石橋です。文化史上、極めて重要な建造物として、国の重要文化財にも指定され、農林水産省の疏水百選に選定されています。
この通潤橋の特長は、人を渡す橋ではなくて、水を渡す水路橋であることです。橋の上には、石造の通水管が3列並んで・・・、これらの連通管によって、対岸へ水を・・・。緑川の支流が流れる谷をはさんで、取水口よりも水の出口である吹上口が、約6m低くなるように造られているとのこと。しかも肥後熊本の石工の高い技術と近隣の農民による無料奉仕で実現した橋・・・。その願いがひしひしと伝わってくると同時に、その壮麗な姿・・・、しかも正午には橋の中央から両側に放水され、水のアーチを描きます。春には、ツツジのピンク、菜の花の黄色、アーチ形の白い放水が、歴史を秘めた黒褐色のアーチ型の石組みに映えて・・・。その感動に震えて、いや、四季それぞれの姿に人生を重ねて、何度でも来たくなります。何度も会いに来ました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2010年12月06日
- 更新日
- 2016年09月30日 11時 37分