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野焼き後の早春の秋吉台
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山口県にある秋吉台は、約3億年前、海の中でサンゴ礁として誕生し、長い間の地殻変動で陸上に山として出現したものです。 日本一広大な石灰岩台地(カルスト台地)です。そして台地には、雨や雪などが降り、これも気が遠くなるほどの年月をへて、ドリーネ(凹み)を造り、大地の中にいろいろな奇観に富んだ鍾乳洞を造りあげました。変化に富む広いカルスト台地・・・。その草原に散らばる白い岩、そして四季折々の野草とが織りなす景観は、訪れる人々に時の流れを感じさせます。
素晴らしい秋吉台のカルスト景色。とくに羊が群れをなすような石灰岩の”羊群原”と草木が織りなす景勝は、人によって維持されて来ました。 その代表的な作業に「早春の野焼き」があります。本格的な春を待つ風物詩ともなっています。
この大規模な野焼きは、冬場の枯れ草を無くして、害虫を駆除し、春萌えの牧草や春の植物の形成を促します。またカルスト台地の景観を保つ目的でも、大規模な野焼きが行われます。
大規模な野焼きが行われた後は、黒い絨毯を敷き詰めたようになります。そして春の訪れを語る野草たちが、黒味がかった地面から芽をだし、蕾となり、色とりどりの花を咲かせます。紫色のスミレ、白いセンボンヤリ、キジムシロ、そして名も知らない野草たちが・・・。周りの木の枝にも、黄緑色の若葉たちが萌えだします。やがて秋吉台は、緑一色の草原になります。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年02月15日
- 更新日
- 2016年09月30日 15時 47分