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冬・氷雪期の田沢湖
Snowy landscape of Lake Tazawa in winter
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田沢湖は秋田県にある、ほぼ円形の湖です。その成因は未だ判明していませんが、最大の深さが423.4mで、日本で最も深い湖・・・。そして太陽の光が、この深い湖水に差し込んだ際、湖水の色が水深に応じて翡翠色、コバルトブルーから濃い紺色、エメラルドグリーンにまで、多彩に変化するとのことです。
田沢湖は日本一の深さのために、冬でも凍らない不凍湖です。しかし湖岸や岸辺の浅い所では、積雪時には薄く氷結していました。さて田沢湖の見どころの一つは、氷結伝説の美少女「たつこ姫」のブロンズ像。永遠の若さと美しさを求めて、湖の神になったという「龍神伝説」があります。訪れたときには、雪が「たつこ姫」の頭や肩と腰に降り積り、黄色いブロンズ像が白雪に一層映えていました。また傍に建つ小さな「浮木神社(別名たつこ神社)」も白雪の中で、ひっそりと佇んでいました。静かで神秘的な湖面を見つめていると、この湖に託した人々の想いが、切なく伝わってきました。
ところで「たつこ姫」のブロンズ像のほぼ対岸に近いところに、ござを敷いたような平坦な岩場があります。そこに建つのが「御座石神社」で、赤い鳥居で有名。境内にはスギの神木や人魚姿の辰子像があり、また近くには「蓬莱の松」があります。これらも雪が降りしきり、人影もなくて静寂に包まれていました。そして雪雲の間から、鈍い色ながらも冬の陽がときおり射し込んで、湖面に日溜まりを創っては、また消えて行きました。山水画のような雪景色の中にも、一瞬ですが、自然の動きがありました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2021年01月16日
- 更新日
- 2021年01月16日 15時 16分