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秋・紅葉期の小安峡
Oyasu ravine in autum in Akita pref.
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小安峡(おやすきょう)は栗駒国定公園に含まれ、秋田県の皆瀬川上流にある全長約8kmのV字谷の峡谷です。同峡谷のハイライトは、高さ60mもの切り立った絶壁の岩間から、98度にも達する噴泉の大噴湯。もうもうと湯煙を吹き上げ、訪れる人々を驚嘆させます。数多くの噴湯の中でも、とくに水平方向に数メートルもシュッシュツと噴泉を射るように轟音を出す景観は、何度見ても圧倒的です。
渓谷の底には、遊歩道が整備されていて、身近に大噴湯の有様を体験できますが、人々は噴泉の場所だけは足早に通ります。そして遊歩道の周りは、濡れた岩場と青緑色の渓流が美しく流れ、所々小規模の噴湯が、さかんに白い湯煙を立ち昇らせています。
今回訪れたのは紅葉期の秋・・・。赤い河原湯橋から見上げると、渓谷の上は澄んだ青空が広がり、白い雲が浮かび、谷の斜面は黄色や橙色の木々に埋まっていました。そしてこの朱橋から下に目を転じると、やや緑色がかった渓流があり、流れが緩やかな水面では、森の秋模様の影が映って、ここにもあった錦秋美・・・。また岩場からは様々な方向に白い噴湯が噴出し、盛んに湯煙を揚げていました。幾筋もの湯煙は、谷間の風に揺れたりしながらも、渓谷美を楽しむように、ゆっくりと秋空を渡って行きました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2015年05月12日
- 更新日
- 2017年10月05日 08時 48分