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秋の別子銅山跡(産業遺産)「東平地区(マイントピア別子)ーそのIー」
Besshidozan copper mine( Oriental Machu Picchu ) in Ehime Prefecture.ーpart 1ー
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別子銅山は愛媛県新居浜の山麓部にあった銅山で、1690年(元禄3年)から1973年(昭和48年)までの約280年間にわたって採掘されてきた銅山です。日本産業の銅生産と関連事業の近代化に寄与したことから、現在は産業遺産に登録されています。広大な銅山でしたので、大きく端出場(はでば)地区と東平(とうなる)地区に分けられます。
「東平」地区は標高約750mの山中にある地域で、マイントピア別子東平ゾーンと呼ばれています。崩れかけた多くの構造物が並び建つ外観から「東洋のマチュピチュ」と呼ばれ、産業遺産観光の目玉となっていています。そこには長い年月、風化の影響を受けても、貴重な産業遺産がが並んで現存しています。重厚な花崗岩造りの索道基地、高い石垣に囲まれた貯鉱庫、剝き出しのレンガの構造物、錆びて折れ曲がった鉄片、積み重ねられた岩の間に入り込んだ野草やコケ類など、年月を経た風化を示していました。また近くにある旧第三変電所は、秋模様の森に囲まれていました。重厚感のある煉瓦で作られた外壁、そこに残った電送用の碍子類・・・。中に入ると、二階への木の階段、灰白色の漆喰の壁、ペンキで塗りで固められた浴場の周り、炊事場のかまど、厚い窓ガラスなど、廃墟となりつつある生活の跡を偲ばせていました。しかし周辺の林や道端には、ピンク色のツバキに花が咲いていて、またアセビの赤い蕾、アキグミの赤い実、緑と茶色のヤシャブシの実たちが、廃墟の周りにあって、少し心を温かくしてくれました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2023年05月26日
- 更新日
- 2024年07月09日 05時 07分