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ハナイカダ(花筏)の春から秋
Japan helwingia: from spring to autumn
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ハナイカダ(花筏)は北海道南部、本州、四国、九州の山地に分布する落葉低木です。水気が多く半日陰の森林に自生しています。異色なのは、葉の上に花を咲かせ、実をつけること。葉身を筏(イカダ)に見立て、その上に乗る花や実を筏を操る人に見立てて、ハナイカダと呼ばれています。雌雄異株で、雄株は葉の上に多くの花や実を付けますが、雌株では1〜数個の花や実しか付きません。 4月ごろ、葉の展開とともに葉の主脈の中央部に、約5mm大の淡い緑色の花を付けます。花弁は4枚で、色は淡い黄緑色で、あまり目立ちません。そして緑色の実になり、夏には紫黒色に熟します。 なんといっても面白いのは、葉の上に花が咲き、実がなるハナイカダの姿。葉の船に乗って、尾状に尖った葉先を操る船頭さんを思い浮かべさせます。風に葉が揺れると、水の流れに浮かぶ筏そっくりです。佳人の風流があり、一度見たら忘れがたくなる植物の一つです。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年07月27日
- 更新日
- 2016年10月01日 15時 52分