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ヘラオオバコの四季
Ribwort Plantain: from bud to flower
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ヘラオオバコはヨーロッパ原産の多年草で、日本へは江戸時代の終わりごろに渡来したとのことです。今では北海道から九州まで、草原、牧場、空き地や路傍に広く分布しています。地味そのものの植物ですが、個性も持ち合わせています。 葉はすべて根生葉で根に付き、水平から斜め上へと放射状に並びます。一つの葉は長さ10-20cm、幅1-3cmと細長です。この細長い葉の形がヘラに似ていることから、付いた名前がヘラオオバコ。 春から夏にかけて、根生する葉の間から、高さ20-30cmの花茎をだし、その先端に花序をつけます。花序は2-6cmで、下から上へと次第に咲き上がってきます。 ひらひらと白い花びらのように見えるのは、実は雄しべです。そして小さな花を集めた花穂は、縦に伸びて、雄しべの部分は、ちょうどハチマキ、白い輪をしたように見えます。雌しべは雄しべより先に成熟する「雌性先熟」です。 外に飛び出した白い旗のような雄しべが、風に揺れ続ける姿……風媒花としての風情があります。花言葉は「繊細な美」 、「惑わさないで」 とのこと。この地味なヘラオオバコには、つつましさと力強さが感じられます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2014年08月17日
- 更新日
- 2020年06月03日 17時 46分