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紅葉期の帝釈峡「断魚渓と渓流」
Dangyokei Canyon of Taishakukyo Gorge surrounded by autumn leaves
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国定公園の帝釈峡は、中国山地のほぼ中央に位置する南北約18kmにわたる広大な渓谷で、日本の5大名峡の1つにあげられています。この地域に広がる発達したカルスト台地が、長い年月をかけて帝釈川によって、侵食されて形成された深さが200m~300mにもおよぶ峡谷です。中国地方で有数の景勝地となっていて、そこには美しい渓流、鍾乳洞、多くの奇岩や巨岩が連なります。
美しい渓流の代表的なところが、雄橋から300mほど下流にある「断魚渓」です。名前の由来は、急流のため魚が遡上できないという意味。ここは帝釈峡付近では最も古い地層とのこと。また「断魚渓」は帝釈峡の中では、勾配が最も急です。そこを白い渓流が、いくつかの段差の岩場を、段違いとなって斜めに、または方向を変えながらが流れ落ちて行きます。
秋、「断魚渓」は黄葉や紅葉の原生林に覆われます。オレンジ色や紅色、真っ赤に染められたモミジ・・・。秋風に揺れる姿は、美しいかぎりです。そして枝を離れた黄葉・紅葉は、落葉となって渓流を旅します。長い歴史を秘めた不動のカルスト台地の中を、白い渓流は海へと流れ、再び雲や雨となって、戻ってきます。
秋の帝釈峡は訪れた人々に、一抹の寂しさを感じさせながらも、時の流れに、心身の安らぎと落ち着きをも与えてくれます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年04月17日
- 更新日
- 2016年10月02日 10時 30分