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フランネルソウの若葉、蕾から花へ
Dusty miller: from young leaves, bud to flower
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フランネルソウは南ヨーロッパを原産とするナデシコ科の多年草で、わが国へは明治より以前に渡来しています。名前の由来は、茎や葉をふくめ株全体が柔らかい白毛でおおわれていて、これがフランネル(略称ネル)という布の触れ合いに似ていることから。フランネルとはイギリス原産の起毛した布の意で、柔らかな綿毛で覆われ、手触りがよいことから名づけられたそうです。
花茎は70〜80cmでまっすぐに立ち、初夏になると、花柄の頂に鮮やかな紅色の五弁花をつけます。3cm前後の花弁は明るい紫紅色〜濃いピンク色で、ビロード状の艶やかな光沢があります。葉は白く銀色を帯びるので、花と葉とのコントラストが美しさを引き立てます。そして茎も葉と同じように、ふわふわした白い産毛におおわれています。別名はスイセンノウ(酔仙翁)、酒によって紅くなった白い翁の姿が浮かんできます。また花言葉は“誠実”、“強い気持ち”、“機智”など。
たしかに、あらためてこの植物にそっと触ってみると、柔らかい毛が密生している葉の感触が、昔の懐かしい想い出を運んでくれました。テレビも電話も車もなかったころ、このネルという布で洋服を縫っていた母のそばで、ネルの端切れで遊んだ子供時代・・・。物質的には豊でありませんでしたが、心は豊かであったように思います。よい時代でした。(潮 信輔)
- 登録日
- 2010年07月01日
- 更新日
- 2016年10月01日 15時 22分