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層雲峡の「不動岩」と「2つの滝(銀河の滝と流星の滝)」の四季
層雲峡は、北海道の中部にあって、大雪山の北の麗を流れる石狩川上流の峡谷です。この峡谷は約24kmもつづく、断崖絶壁から成っています。この断崖は、約3万年前の大雪山の噴火で堆積した約200mもの溶岩台地が、幾何学的な柱状節理を造り、これらが石狩川によって浸食された為とのことです。
この層雲峡には、多くの奇岩や滝が見られます。その代表的な奇岩が「不動岩」で、左右に、「銀河の滝」と「流星の滝」を従えています。 この「不動岩」を挟んで 約120mもの切り立った断崖を、寄り添うように流れ落ちる美しい2つの滝・・・、別名で夫婦滝とも呼ばれ、日本の滝百選に入っている名瀑です。双瀑台展望台に登ると、ひときわ目立つ「不動岩」を挟んで、これら2つの滝が、眼前に迫ってきます。
夏、層雲峡の岩壁には、散在する木々が、深緑の葉を繁らせます。下の方では原生林の森が帯状に続き、その中を石狩川の渓流が規則正しい瀬音を奏でます。
秋、この峡谷は本州より一足先に秋景色に染まって行きます。岩壁の落葉樹は黄色や紅色の葉をまとい、下の渓流は落葉を乗せながら流れて行きます。
冬、層雲峡は積雪の白い景色にすっかり覆われます。断崖も雪に濡れて黒くなり・・・、2つの滝は氷結して、黒味を増した岩壁に映えます。厚い氷瀑のところでは、淡い青色を呈して、神秘的な姿に色を添えます。そして静寂に満ちた白世界の中、石狩川だけが、完全に氷結しないで、幅が狭くなりつつも、密やかに流れ、秘めやかな音だけが聞こえてきました。
厳しい季節の後、北海道の層雲峡にも遅い春は必ず訪れ、再び若草が萌え出ます。「不動岩」は、季節の推移を、滝の変化を、そして草木の四季を見続けています。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年05月01日
- 更新日
- 2022年07月25日 16時 25分