癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

「江里山棚田」は佐賀県の小城にあって、天山山系を源とした自然流水を水源とする美しい棚田です。山間の河川に沿って、５９２枚の棚田が曲線をえがきなが ら下の方に広がります。里山の集落と一体となり、「農村景観百選」にも選ばれた景観・・・。石積みの棚田とあぜに四季の草花たちが、いろどりを添えます。 美しい日本の村景観コンテスト」などにも選定されています。そうです。里村の集落と棚田が一体となった景観は、日本の里山、里村の原風景ともいうべき味わ いが漂っています。江里山の里村では、「棚田と彼岸花の里づくり」を目指した村づくりが、積極的に進められています。春と夏に訪れました棚田の美観は、印象深いものでした。そこで秋の風情を求めて、やはり来ました。秋の棚田と植物たちが織りなす景観は、素晴らしいものでした。

美しい曲線を奏でる石積みの棚田。それらの間と法面や畦畔に咲き誇る赤いヒガンバナ・・・。黄金色にたわわに垂れ実った稲田、そのあぜ道を飾るヒガンバナの赤い帯・・・、それぞれに美しさを引き立て合っています。その脇では、黄白色の彼岸花も、そっと寄りそっていました。

一方、畑では、野菜も花を付けていました。黄色のカボチャやキュウリ花、紫色のナスの花たち・・・。蝶々たちが花に止まっては、移動し、また蜜を求めて飛び回っていました。棚田を見上げると、澄んだ青空を背に、紅紫色のオオケタデ、ピンク色のコスモスが、爽やかな秋風に揺れていました。棚田が広がる里村の懐かしさと自然の優しさに、身をゆだねて来ました。（潮 信輔）