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カワラナデシコ(河原撫子)の四季
Four seasons of Dianthus longicalyx
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カワラナデシコ(河原撫子)は日本、朝鮮、中国、台湾など東アジアに広く分布する多年草です。わが国では、主に日当たりの良い草原や河原に自生。そのほかに、路傍や山地の斜面、海岸の砂浜等でも生育しています。カワラナデシコとは、本種がしばしば川原に生えることから、昔から日本の風土とよく合うようで、とても丈夫です。
秋の七草の1つであり、「やまとなでしこ」はこのカワラナデシコであるとのこと。高さ30〜50cmで、茎は根から叢生し節が膨らんでいます。葉は対生し、線形から線状〜披針形で、高さは4〜7cmほど。花期は6〜9月で、茎の先端部に、直径4〜5cmの花をつけます。花弁は5枚で、先がひらひらと糸状に細かく切れ込んでいるのが特徴。
日本の古名は単になでしこ(撫子)で、『万葉集』もよく詠われています。ナデシコとは、「なでるようにして大切にあつかう子、愛する子、愛児」の意として、皆に親しまれて来たのでしょう。深い濃い緑の、背丈の伸びた草の中から、チラッとのぞいているカワラナデシコの姿・・・。子の成長を見守りたい親の心にが和名にも表れているようです。
深い紅色の花弁で、その先が裂けて糸状に細かくなり、秋のそよ風に揺れる姿は優雅で清楚そのもの。この花と姿は、「大和なでしこ」の慎ましやかな雰囲気を、たしかに感じさせます。(潮 信輔)
- 登録日
- 2024年06月20日
- 更新日
- 2024年06月20日 05時 51分