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冬積雪の富士山麓「忍野八海」
忍野八海(おしのはっかい)は、山梨県の忍野村にある湧泉群です。ただの池ではなく、富士山の雪解け水が地下の溶岩の間で、約20年もの年月をかけてろ過され、伏流水、湧き水として約8か所、地表に出てきたものです。湧水する量は四季をとおして、ほぼ一定。水温は14〜16℃で,冬季も結氷せず、国指定の天然記念物および名水百選に選定されています。
この景勝地にも、季節は彩りを運んできます。前回訪れた夏とは違って、冬にはどのような姿を見せてくれるのか?・・・・。晴天の下、積雪の忍野八海を再訪しました。他の季節に比べて、訪れる人々の数は少なくて、すっぽりと静寂に包まれた忍野八海を散策できました。
「湧池」は八海にある湧水群のうちで、最も深く、また最大の湧水量を誇っています。青空を映した水面は、どこまでも青く、ニジマスや黄色い淡水魚たちが、泳ぎ廻り・・・、池の出口では緑の水草も水流にそって、ゆらゆらと踊つていました。池の淵に静かに積もった雪は、時おり冬の陽を受けて、キラキラと光を反射させていました。
他の名前の付いた多くの池、すなわち中池、御釜池、銚子池、底抜池なども、本来の姿を見せてくれました。澄んだ空気と紺碧の空、真っ白な積雪に囲まれ、富士山を通ってきた湧き水は、コンコンと規則正しく、水面を揺らし、盛り上げながら・・・。
大きな古民家は、ひっそりと静まり、水車は動きを止めていました。雪を被った茅葺の屋根や軒下には、氷柱が垂れ下がり、方向によっては、時々キラリと太陽光を反射させます。
青い空を見上げると、五合目まで白く雪を纏った富士山が、くっきりと凛として、その勇姿を誇っている様でした。冬の忍野八海は、透き通った青と白が、際立つていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2013年11月03日
- 更新日
- 2016年09月12日 14時 49分